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    歯の一生について

    こんにちは、リッツ歯科です。

    暦の上では大寒を迎えましたが、比較的暖かい日々が続いております。

    皆様お障りなくお過ごしでしょうか。

    本年度もよろしくお願い申し上げます。

     

    さて、本日は歯の一生について考えていきたいと思います。

    私たちヒトやイヌなど、大部分の哺乳類は乳歯から永久歯に生え変わります。

    しかしご存じの通り、永久歯に生え変わったら最後、その永久歯が抜けると爬虫類のように何度も歯が生えてくることはありません。

    すなわち、“歯を抜いたとき”あるいは“歯が抜けたとき”が歯の一生の終わりとなるのです。

     

    実は私たち歯科医師が「治療をしないこと」が歯を健康なままで長持ちさせる秘訣です。

    「歯を削らない」ことこそが歯にとっては一番いい事なのです。

    では、なぜ「歯を削らない」ことが重要なのでしょう。

     

    それは歯科医師が削った歯は次から次へと治療が必要になり、歯を失っていくからです。

    多くの場合、以下の順番で歯を失っていきます。

     

    ①むし歯になる

    ②むし歯になった歯を削って、詰め物をする

    ③詰め物をした歯がまたむし歯になる(二次う蝕)

    ④さらにむし歯が進行して、銀歯をかぶせる

    ⑤銀歯の中でむし歯が神経まで到達する

    ⑥歯の神経の治療が必要になる

    ⑦歯の根の先に膿がたまり、抜歯をする

    ⑧抜歯をした部分にブリッジを入れる

    ⑨ブリッジの支えの歯がむし歯になり、抜歯を繰り返してブリッジが大きくなる

    ⑩支えの歯が足りなくなり、ブリッジでは対応できないため取り外しの入れ歯になる

    ⑪取り外しの入れ歯のバネがかかる歯がむし歯や歯周病になり抜歯する

    ⑫最後は歯を全部失い、総入れ歯になる

     

    つまり、外傷や事故を除き、むし歯にしなければ私たち歯科医師が「歯を削る」というリスクがなくなるのです。

     

    むし歯ができてしまった口の中というのは、そのむし歯になった歯だけに問題があるわけではありません。永久歯の中には歯の形や場所によって、むし歯になりやすい歯となりにくい歯がありますが、むし歯ができる口の中というのは、口の中全体の衛生状態や細菌の状態が悪いことがほとんどです。

     

    「むし歯が1本みつかった」ということは他の歯もすでにむし歯になっている、あるいはむし歯になる可能性が高いのです。

     

    また、むし歯ができてしまうような食生活習慣や衛生習慣を急に「むし歯ができにくい食生活習慣や衛生習慣に変えましょう」と言われても簡単にできるものではありません。

     

    一度身に付いた習慣を変えることがどれだけ難しいか、皆さんもダイエット、飲酒、喫煙などいろいろなことで経験があると思います。

     

     現実問題として「むし歯が0本の人」「むし歯の治療をしたことがない人」というのはかなり少数です。ほとんどの人が先ほどの①~⑫のどれかの治療を経験しています。既に治療をしてしまった歯は元には戻りませんが、次のステージに進まない=今より悪化させないことが重要になってきます。

     

    どこかで「負の連鎖」を断ち切らなければ「一生歯科治療を受け続ける」という負の螺旋階段を下がっていくことになるのです。

     

    では、「一生歯科治療を受け続ける」という負の連鎖を断ち切るためにはどうしたらいいでしょうか?今までと同じことを続けていたのでは同じ結果になってしまいます。

    例えば、今までは歯ブラシだけ使って歯磨きをしていたけれど、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助的清掃用具を追加する。メンテナンスや歯科健診のために歯科医院にしばらく行っていなければ、今すぐ予約をする。ダラダラと間食する癖があるのなら、同じ間食の量を食べるとしても、時間を決めて間食するようにする、などすぐにできる事からはじめてみるのがいいでしょう。

     

    「食べること」は「生きること」につながります。

     

    同じ年齢でも、若々しく元気でエネルギーに満ち溢れている人がいる一方で、病気がちでパワーが不足している人もいます。一生自分の口から食べ続けるためのパートナーである「歯」を長持ちさせて、健康な体と心を作り続けていきたいものです。

     

    2024.01.29

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